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今さら聞けない!?日本語能力試験の基本と外国人採用の成功法

日本語能力試験(以下、「JLPT」という)は、日本語を母国語としない人々のための試験で、その目的は日本語の理解力を測定し、証明することにあります。試験はN1からN5までの5つのレベルに分かれており、それぞれが異なる日本語能力を求めます。試験は年に2回(7月、12月)、日本のみならず世界各地で実施されています。特に外国人採用においては、JLPTの結果が企業にとって外国人の日本語能力を評価する重要な指標となっており、職場でのコミュニケーションを円滑にするための基準となっています。

1. 日本語能力試験(JLPT)とは?

日本語能力試験(JLPT=Japanese Language Proficiency Test)は、日本語を母語としない人々の日本語能力を測定するための試験です。1984年に始まり、アジア圏のみならず北米や中東、アフリカなどの世界各地で実施されています。受験者数は2024年実績では、国内外で1,470,989人(日本国内599,831人、海外871,158人)となります。以下グラフにあるように受験者数は年々増加傾向と人気の高まりを見せています(2020年はコロナにより減)。JLPTは、日本語を学ぶ人にとって学習の目標として広く利用されており、日常生活や職場での日本語使用能力を評価する上で重要な試験とされています。試験は5段階(N1からN5)に分かれており、N5が最も簡単で、N1が最も難しいレベルです。受験者は、自分の日本語能力に応じたレベルを選んで受験することができます。

2010年からの実施状況

画像引用:JPLT/2024年第2回 日本語能力試験 結果の概要

▼参考情報▼
JPLT/海外の実施都市・実施期間一覧

1.1. JLPTの概要と目的

JLPTの目的は、日本語を学ぶ人々の言語能力を正確に測定し、その結果を国際的に通用する資格として提供することにあります。試験は、文字・語彙、文法、読解、聴解の各分野で構成され、総合的な日本語能力を測ることができます。受験者は試験を通じて、自分の日本語スキルの強みや弱みを知ることができ、学習の進捗を確認するのに役立ちます。また、JLPTの資格は、学術機関や企業、大学入学における日本語能力の証明として利用されることが多く、特に日本での就職や進学を目指す人々にとっては重要な資格となっています。そのため、JLPTは単なる語学試験としてだけでなく、個人のキャリア形成においても大きな役割を果たしています。

1.2. 試験の構成とレベル分け

JLPTは、N1からN5までの5つのレベルに分かれています。試験内容としては大規模試験のため回答は選択肢によるマークシート方式になり、直接話したり書いたりする能力を測ることはありません。N5は最も基礎的なレベルで、簡単な会話や基本的な表現を理解できる能力が求められます。N4は、日常生活における基本的な日本語を使う能力を測ります。N3では、日常の多様な場面で日本語を使用する能力を評価し、N2は、より専門的な会話や文章を理解できる能力が必要とされます。最も難しいN1は、新聞や学術的な文章を理解し、流暢に日本語を使いこなす能力を求められます。試験は、文字・語彙、文法、読解、聴解の各セクションで構成されており、各レベルで必要とされる日本語能力を総合的に評価する仕組みとなっています。これにより、受験者は自分の日本語学習の進捗状況を具体的に把握することができます。

日本語能力試験(JLPT)のN1~N5のレベル別概要

レベル

難易度
(英検該当級)

読解能力

聴解能力

N1

最難関
(英検1級〜準1級)

複雑・抽象的な評論文や論説を理解できる

自然な速さの講義やニュースを詳細に理解できる

N2

上級
(英検準1級)

明快な論旨の新聞・雑誌記事を理解できる

日常+やや専門的な会話を聞き要旨を理解できる

N3

中上級
(英検2級)

日常的な具体的な内容の文章を理解できる

やや自然な速さの会話をほぼ理解できる

N4

中級
(英検準2級)

基本語彙・漢字を用いた身近な文章を理解できる

ゆっくり話される日常会話を理解できる

N5

初級
(英検3級〜4級)

基本的な語句・表現を含む簡単な文章を理解できる

ゆっくり話される短い会話から必要情報を聞き取れる

※イメージしやすいように難易度に英検該当級をイメージとして記載

▼参考情報▼
JPLT/N1~N5:認定の目安

1.3. 試験の実施時期と場所

JLPTは、毎年7月と12月に日本・世界各地で実施されています。(アフリカや中東の一部地域によっては年に1度開催の場合もあります)。日本国内では、47都道府県の主要都市で試験が行われ、受験者は自分の住んでいる地域に応じて受験会場を選ぶことができます。海外でも、多くの国でJLPTが実施されており、日本語を学ぶ人々に広く受け入れられています。試験の申込は、実施日の3~4か月前から始まり、公式ウェブサイトでMyJLPTを登録し、オンラインで受付を行います。受験者は、指定された期日までに申込を完了し、受験票を受け取る必要があります。JLPTの合格は試験日から約2ヶ月後に発表され、受験者はオンラインで結果を確認することができます。合格者には、日本語能力を証明する公式な証明書である「日本語能力認定書」が2か月~3か月で発行され、就職や進学の際に活用することが可能です。

2. JLPTの各レベルの詳細

日本語能力試験(JLPT)は、日本語を母語としない人々が日本語能力を証明するための試験で、N1からN5までの5つのレベルに分かれています。N1が最も高度な日本語能力を証明するもので、N5が初歩的な日本語能力を示します。それぞれのレベルには、異なる特徴と必要とされるスキルセットがあります。各レベルの詳細を理解することで、受験者は適切な目標を設定し、効果的に学習を進めることができます。以下に、各レベルの特徴と必要スキルについて詳しく説明します。

2.1. N1レベルの特徴と必要スキル(英検1級〜準1級レベル)

N1レベルは、JLPTの中で最も高いレベルであり、日本語を母語とする人に匹敵するほどの読み能力と読解力が求められます。受験者は複雑な文章や高度な専門用語を理解し、ビジネスや学術的な場面での日本語の使用が可能とされています。具体的には、新聞や学術論文をスムーズに読解し、議論や交渉など高度なコミュニケーションを行うことができます。また、微妙なニュアンスを理解する力もあります。このN1レベルの合格には、長期間の学習と実践が不可欠であり、日々のニュースや書籍を用いた多読、多聴が効果的です。

2.2. N2レベルの特徴と必要スキル(英検準1級)

N2レベルでは、日常生活や職場でのコミュニケーションにおいて不自由なく日本語を使用できる能力が求められます。このレベルでは、一般的な話題についての文章や会話を理解し、自分の意見を論理的に述べることが必要です。新聞や雑誌の記事、テレビのニュース番組をある程度理解できることが期待されます。また、ビジネスシーンでのメールや報告書の作成も可能です。N2レベルの合格を目指すには、日常的な会話練習やビジネスシーンのロールプレイング、新聞記事の読み込みなど、実践的な学習方法が有効です。多様なテーマに触れ、多角的な視点を養うことが、このレベルを達成する鍵となります。

2.3. N3レベルの特徴と必要スキル(英検2級レベル)

N3レベルは、中級日本語の能力を示し、日常生活のほとんどの場面で日本語を使いこなすことができるレベルです。このレベルでは、日常的な状況や一般的な話題についての文章を理解することが可能となります。具体的には、日常会話や簡単な説明文、指示などを理解することができます。イメージとしては、テレビのドラマや映画をある程度楽しむことができるレベルとなります。N3レベルを目指すには、日常会話の練習や、簡易なニュース記事や小説の読解、リスニングの強化が有効です。語彙の拡充と文法の理解を深めることが、このレベルの合格につながります。

2.4. N4レベルの特徴と必要スキル(英検準2級レベル)

N4レベルは、初級から中級への橋渡しとなるレベルで、身の回りの頻出する会話や文章を理解できます。このレベルの受験者は、簡単な文章を読んで理解し、日常の場面での基本的な会話を理解することが可能です。例えば、買い物や交通機関の利用、友人との会話など、日常生活における基本的な会話を聞くことができます。N4レベルの合格を目指すには、基礎的な文法と語彙の習得が効果的です。リスニング力の向上も必要であり、音声教材を使った学習が役立ちます。

2.5. N5レベルの特徴と必要スキル(英検3級〜4級レベル)

N5レベルは、JLPTの中で最も基礎的なレベルであり、日本語学習を始めたばかりの人が目指す目標です。このレベルでは、簡単な日本語のフレーズや挨拶を理解し、日常の基本的な状況を把握することができます。具体的には、簡単な名詞や動詞を使った短い文章を理解できます。N5レベルの合格には、基礎的な文法と語彙の習得が不可欠です。ひらがな・カタカナの読み書きを確実にし、基本的な漢字の学習も進めると良いでしょう。また、聞き取りの練習には、簡単な絵本やアニメを使ったリスニングが有効です。

3. 外国人採用の成功ポイント

外国人採用を成功させるためには、適切な採用プロセスとサポート体制が重要です。まず、求人情報においては、日本語スキルの明示が必要です。これにより、応募者は自分のスキルが求められている水準と合っているかを判断しやすくなります。次に、面接では実際の日本語能力を見極めることが大切です。面接での評価を通じて、応募者が業務を遂行できるかどうかを確認できます。そして、採用後には、外国人社員がスムーズに職場に適応できるよう、サポート体制を構築することが求められます。これにより、採用した外国人社員が長期的に活躍できる環境を提供することが可能となります。

3.1. 求人情報における日本語スキルの明示

外国人採用を行う際に、求人情報において日本語スキルを明示することは非常に重要です。これにより、応募者は自身の日本語能力が求められる業務内容に適しているかを事前に確認できます。例えば、業務上必要な会話、読解、書類作成のスキルレベルを具体的に示すことで、応募者は自身の能力と照らし合わせ、応募を検討することができます。さらに、スキルレベルを具体化することで、企業側も適切な人材を効率よく集めることが可能となります。また、応募者にとっても、期待されるスキルが明確であるため、入社後のギャップを減らすことができます。これにより、双方にとって採用のミスマッチを防ぎ、スムーズな採用プロセスを実現することができます。

3.2. 面接での日本語能力の見極め方

面接では、応募者の日本語能力を正確に見極めることが重要です。まず、日常会話とビジネス会話の両面から日本語スキルを評価することが求められます。具体的には、面接の最初の段階で、自己紹介や基本的な質問を通じて日常会話能力を確認します。その後、業務に関連したシナリオを用いてビジネス会話能力をテストします。この際、専門用語や業界特有の言い回しを理解しているかどうかもチェックポイントとなります。ただし、日本で就労したことのない外国人材において専門用語や業界用語は難解となるため、面接時に理解できなくても問題ありません。採用後に業務を通じて学んでもらいましょう。

また、採用時のポイントとして、JLPTには面接の試験がないため、会話力は測れません。そのため、4技能(話す、書く、読む、聞く)のいずれを重視・優先するのかを採用時に社内で検討しておく必要があります。海外からの採用では、最初から流暢な日本語レベルを求めることは現実的ではありません。育成計画とあわせて、採用時点での日本語レベルと入社後の成長を織り込む基準設定が重要となります。

\\ポイント//
JLPTの場合、「読む、聞く」にあたる受容能力は測定できますが、「書く、話す」にあたる産出能力は測定しないなど、試験の特性を踏まえた総合的な判断が必要となります。N1やN2を持っているからといって完璧に話せる方ばかりではないことも理解しておきましょう。また逆にN3、N4の方でもN2の方より話せる方も実際にいます。

3.3. 採用後のサポート体制の構築

外国人社員を採用した後には、彼らが職場環境に早く適応できるよう、しっかりとしたサポート体制を構築することが求められます。まず、オリエンテーションを通じて、会社の文化や業務の流れを詳しく説明することが大切です。これにより、外国人社員は自分の役割を理解し、安心して業務に取り組むことができます。次に、メンター制度を導入し、経験豊富な社員が新入社員の相談相手となることで、職場での不安を軽減します。さらに、日本語のコミュニケーション能力を向上させるための研修や語学支援プログラムを提供することも効果的です。また、定期的なフィードバックを通じて、彼らの業務遂行能力を継続的に評価し、必要に応じてサポート内容を調整することが重要です。これらの取り組みにより、外国人社員が職場に長く定着し、組織の一員として貢献できる環境を整えることができます。

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4.JPLT以外の日本語能力試験「日本語NAT-TEST」

JPLTが一番有名な日本語能力を測るテストになりますが、受験実施が年に2回と少ないため代替テストとして「日本語NAT-TEST」も有名です。日本語NAT-TESTは試験実施が年6回となり、2か月に1回にテストが開催されます。そのため、急ぎで日本語能力の証明が欲しい場合や勉強進度の把握や、JPLTと試験内容が似ているためJPLT受験前の対策としても有効です。またNAT-TESTもJPLT同様に入国時の日本語の証明、大学入学、就職活動の際に証明として活用されています。ただし、NAT-TESTはあくまで民間試験であり、一部の公的手続きではJLPTの方が優先される場合もあります。そのため、目的に応じた試験選択が大切です。

4.1. 日本語NAT-TESTの概要と目的

日本語NAT-TESTは、専門教育出版が母体の資格試験で国内外で20年以上実施されており、日本語を母語としない学習者の日本語能力を測定するための試験です。特にアジア圏の受験者を中心に実施されています。5つの級(レベル)ごとに、「文字・語彙」「聴解」「読解」の3つの分野の試験によって日本語能力を総合的に評価します。出題の基準と構成は日本語能力試験(日能試、JLPT)とほぼ同じです。

引用:日本語NAT-TESTについて

4.2. 試験の構成とレベル分け

日本語NAT-TESTは、以下の3つの分野で構成されています。試験は5つの級(1級〜5級)に分かれており、難易度はJLPTのN1〜N5に相当し、級の数字もJPLTと同様と考えて良いでしょう。

試験構成

・文字・語彙・文法
・読解
・聴解

日本語NAT-TESTには5つの級(レベル)があります。もっとも簡単なレベルから「5級」「4級」「3級」「2級」「1級」です。それぞれの級の難しさは、JPLTのN5~N1に対応しています。試験は、1級・2級は「言語知識(文字・語彙・文法)・読解」「聴解」、3級・4級・5級は「言語知識(文字・語彙)」「言語知識(文法)・読解」「聴解」の分野からなりたっています。実際の試験では、これらの分野の試験を半日で行います。

引用:日本語NAT-TEST/級(レベル)と内容

4.3. 試験の実施時期と場所

日本語NAT-TESTは年6回(2月、4月、6月、8月、10月、12月)に日本国内外で実施され、日本国内では東京や大阪で開催されています。海外ではアジア圏で試験が実施されています。

試験開催国(都市については公式HPをご確認下さい)

・日本 | Japan
・中国 | China
・ベトナム | Vietnam
・ネパール | Nepal
・ミャンマー | Myanmar
・インドネシア | Indonesia
・スリランカ | Sri Lanka
・モンゴル | Mongolia
・ カンボジア | Cambodia
・バングラデシュ | Bangladesh
・フィリピン | Philippines
・ インド | India
・タイ | Thailand
・ウズベキスタン | Uzbekistan
・ブータン | Bhutan
・キルギス | Kyrgyz

まとめ

本記事では、日本語能力試験の概要と外国人採用の際のポイントについて紹介しました。日本語能力試験は、外国人が日本で働く際に必要な日本語スキルを客観的に評価するための有効なツールです。企業はこの試験を通じて、求める人材が必要な言語能力を持っているかどうかを判断する目安となります。私たちが紹介する「技術・人文・国際業務ビザ」を取得する外国人材は日本語能力の要件はありませんが、基本的にN3相当以上の方が多い状況です。入国してから日本語能力を磨いてもらうことも可能ですが、あらかじめN3程度の日本語能力が採用の目安となるでしょう。本記事が外国人材の採用にご興味がある方の参考になれば幸いです。

私たち株式会社One Terrace(ワンテラス)は「チョクトリ」といった、海外から優秀な人材を採用する企業の採用支援、定着に向けた支援、活躍するための組織づくり支援などを通じて、企業の採用力や育成力の向上に知見を深めてきました。本記事以外にも、弊社では優秀な外国人材を採用するノウハウを持っているため今後も記事化していく予定です。

▼参考記事▼
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▼参考情報▼
・日本語能力検定JLPT/4つの特徴
・文化庁/4 日本語能力試験について(日本語能力試験の現状と問題)

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