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外国人採用受け入れ体制:社内整備の3つの工夫

外国人を採用する際には、社内体制の整備が不可欠です。本記事では、採用前の社内の合意形成、人事制度の整理、人事管理について重要ポイントを解説します。採用前から採用後のフォローアップとサポート、定期的な相談窓口や継続的なトレーニングの提供、社員間のコミュニケーション促進策など、具体的な取り組みが外国人採用の成功への鍵です。外国人採用を成功させるための社内整備3つのポイントを見ていきましょう。

社内体制整備の重要性

まずはじめに、外国人材の現状を見ていきましょう。ヒューマングローバルタレント株式会社の調査「日本で働く外国籍人材の離職とモチベーションに関する調査」によると、入社1年未満でモチベーションが下がった外国籍社員は53%にのぼり、さらに1年未満で早期退職をした外国籍社員は28%という結果も出ています。せっかく採用・育成コストをかけた人材が流出してしまうのは非常に残念なことです。日本人材と同様に、外国人材の採用において社内体制の整備はとても重要です。どんなにポテンシャルの高い外国人材を採用できたとしても、社内の制度や状態が十分でないと、モチベーションダウンや早期離職につながることがあるからです。外国人材のモチベーションダウン、早期離職の現状を知った上で、これらを防ぐために、外国人材に長く働いてもらうために気を付けていく大事なポイントを3つ紹介します。

外国人材に長く働いてもらうための3つの工夫

1.社内の合意形成(全社員が外国人採用に取り組む姿勢)

外国人材を採用し、円滑に受け入れるためには、社長を含む経営層はもとより、管理者やリーダー層、実際に外国人材と働く従業員に合意をとりつけることが重要です。企業方針として採用するという方向性を示し、各自が外国人材を受け入れるという意識を持つことで、組織全体で包摂的な姿勢が生まれ、安心して働ける環境が整います。もしも社内合意がとれていないと、理解不足や各人の感情により、ネガティブな反応が起こることもあり、戦略遂行に支障をきたす可能性があります。

【目指す状態・実施すること】

  • 経営層(役員など)
    企業の方針や経営計画、事業戦略、人事戦略において、外国人労働者がその戦略遂行に組み込まれていることを認識し、すべての経営層が外国人材の活用方針に共通の認識をもつ状態を目指します。経営層から社内外に向けて外国人材を活用する方針を公開し、社内の管理者や従業員に対して、その方針の浸透を図るための施策を実施します。

  • 管理者・リーダー層
    企業の方針に外国人材の活用が組み込まれていることを理解し、方針や戦略を実行するための準備ができている状態を目指します。外国人材を従業員として同等に扱い、その管理や育成に責任をもつという認識を持ち、部下に対しては、外国人材と一緒に働く際の支援をしていくことを明確に伝えてもらいます。

  • すべての従業員
    外国人材に対し、同じ従業員として積極的に関わる姿勢をもつ状態を目指します。特に配属先で一緒に働く従業員には、外国人材も社員として同等に扱われる一方、外国人であるがゆえの育成や指導、同僚としてのコミュニケーションなどにおいて負荷がかかる点を理解し、一緒に働く準備をしてもらいます。

ワンポイントアドバイス!
経営層や役員、管理職から、全社員が参加する会で一言、外国人採用について全員で協力するように声掛けをしてもらいましょう。そうすると全員で外国人材採用・育成に積極的になりやすくなります。

2.人事制度の整理を明文化・浸透させる

人事制度とは、企業における人事的な決め事のことを指します。特に処遇に関するしくみや施策のことを指しており、従業員を職務や役割、能力などで序列化し(等級制度)、その行動や成果をどのように評価するかを決定し(評価制度)、等級や評価によって給与や賞与、インセンティブを決定します(報酬制度)。

外国人材を採用するにあたり、新たに人事制度をつくり直す必要はありません。公平公正な制度として明文化され、実態が伴っていれば、あらためて外国人材を含む全社員に、その制度を浸透させることが重要です。

小話
「そろそろ入社半年/1年が経つけど、私は会社の役に立てているかな?成長できているかな?」と入社したエンジニアから相談を受けることがあります。
成長意欲が高いがゆえの出来事だと思いますので、定期的に面談の実施や評価をしていただけると皆さん安心します。

【整えてほしい制度】

  • 等級制度
    等級制度は、企業が従業員に求める能力や行動、役割を反映し、従業員の職務、能力、役割により、人事上または組織上の序列化を行い、それぞれの社内での位置づけを定める制度です。等級制度で定められた「等級」に求められる能力や役割と、業務実態とを比較することで評価し、従業員の報酬に反映させることができるようになります。人事上の格付けとして等級制度があり、昇格もしくは降格させることで、その従業員への期待値が変動します。組織上の格付けとしては職位があり、役割や権限を役職という形で明示します。

  • 評価制度
    評価制度は、等級制度で求められる職務・業績と実態との乖離を評価する制度で、配置転換や昇進・昇格、今後の育成方針の決定などに活用されます。特定の対象期間における従業員の行動や成果を評価する仕組みを定め、何をどのように評価するかという基準を明確にします。役割や能力、成果などの評価項目を明確に規定し、どう評価されれば、報酬や昇進・昇格につながるのかという関係性を示し、評価者の評価プロセスや、正確さをどのように担保するのかを示し、透明性や公平性をもたせることが重要です。

  • 報酬制度

    報酬制度は、等級と評価により、給与や賞与、手当、退職金や福利厚生などを定める制度です。一般的には、給与のうち、基本給(固定的給与)は等級や業務プロセス評価に基づいて決定し、賞与(変動的給与)は成果に基づいて決定します。報酬制度体系を明確に規定し、等級や評価結果に基づく給与・賞与・手当などを具体的な金額や内容で示す必要があります。また、昇進・昇格や、特別休暇の付与といった仕事面でのインセンティブを明確にすることも重要です。

ワンポイントアドバイス!
賞与についての捉え方にも特徴があります。
例として、「月給:250,000円(基本給200,000円 役職手当50,000円)賞与:2ヶ月分」のような企業様が多いと思います。
賞与を500,000円と捉える人もいれば、1,000,000円(1回が2ヶ月分)と捉える人もいます。日本の常識が世界の常識ではないと感じる瞬間ですね。
思い込みと言ったらそれまでですが、予定していた金額よりも少なかった時のがっかり感はとっても大きいです。
こんな認識のズレで不満に繋がるなんてことは避けたいですよね!
※One Terraceでは、求人票の作成からご一緒にしていますので外国人採用ならではのアドバイスもぜひさせていただければと思います。

3.人事管理

人事管理においては、目標設定、管理、評価、育成、担当者の設置について決めておくと良いです。それぞれについて紹介します。

  • 目標設定
    目標は、企業のゴールを達成するために必要な行動や結果のことで、全社目標、部門目標、チーム目標、個人目標へと細分化することができます。適切な目標設定により、部・課・チーム・個人などのやるべきことが明確となり、定量化することで、達成できたのか、あるいはできなかったのかを振り返ることができます。外国籍社員の場合には、業績目標、業務遂行目標の管理に加え、育成観点から、能力向上目標(技術・スキル・日本語力)、自己成長目標(中長期視点の成長やキャリアゴール)を設定するとよいでしょう。

  • 目標管理
    目標管理は、部・課・チーム・個人などの目標に対し、達成するための支援を行うことです。結果だけでなくプロセスも管理することで達成しやすい状態を生み出します。会議(月次・週次・日次会議など)や報告書(月次・週次・日次など)、1on1ミーティング(週次・日次・適宜など)の設定を行い、目標達成に向けた定点観測や相談のできる機会を設定し、日常的に密なコミュニケーションが取れる体制をつくりましょう。また、目標達成に向けたフィードバック分析を行う、課題や困りごとの相談や解決案を話し合う、生活やプライベートでの悩みを聞くなど、会議での目的を明確にするとよいでしょう。個別面談(1on1ミーティング)では、フリーカンバセーションによる現状把握や、目標に対する今の状況、目標に向けて取り組んだこと、成功体験、困っていること、次までにやること、具体的な行動や改善点、期待や評価、成長を促すヒントなどを確認するようにしましょう。

  • 評価
    評価では、適切な職務や仕事量を明示し、育成方針や成長課題を理解できるまで伝える必要があります。そのため、定期的に振り返り面談を実施し、期待される状態と現状との差異を明らかにし、処遇を明確にします。説明があいまいであると不満につながり、説明が具体的で正確であると納得感につながります。このため、評価期間における評価項目(何を)と、評価基準(どのように)を明確にし、評価期間中は評価の参考となる事実を収集し、評価期間終了時に業務結果の報告と、場合により自己評価を提出させ、結果が出たタイミングや定例面談で、人事考課につながる分析をします。

  • 育成

    従業員の成長と企業の能力向上が一致することから、企業の責任において従業員一人ひとりを育成する必要があります。育成目標を設定し継続的な育成体制を整備しましょう。育成目標の設定には、企業の人事戦略に照らし合わせ、短期の業績や職務遂行目標から長期のキャリアゴールまで、具体的に設定する必要があります。1か月、3か月、6か月、1年、3年などの育成目標を設定し、着実に成長ができるよう支援しましょう。

  • 担当者の設置
    外国籍社員を管理する際、生活面、業務面、メンタル面での支援が求められます。それぞれの担当者を設置し、円滑な定着および活躍に向けた支援体制を整えましょう。

    生活支援…入国から入社当初の住居手配、生活用具の手配、住民登録、銀行口座開設、生活インフラ及び通信インフラの設定等に関する生活面での支援、日々の生活面での困りごと相談を受ける担当者。主に総務で担当者を選任する。

    メンター(仕事の相談ができる先輩社員)…主に仕事面でなんでも相談にのり、ちょっとした業務相談やアドバイスのほか、メンタル面でのケアも行う担当者。主に配属部署または配属部署以外から年齢の近い先輩社員を選任する。先に入社した同じ立場の外国籍社員をメンターに選任することもある。

    業務支援(教育担当)…配属部署での仕事の進め方、職場のルール、業務遂行上の支援、技術指導などを担当し、職場での早期適応を支援する担当者。主に配属先の上司または先輩社員、技術者から選任する。場合により技術指導担当を別に選任することもある。

    外国人労働者の雇用労務責任者…外国人労働者を常時10人以上雇用する事業者には設置義務(届出義務はない)のある担当者。適正な労働条件の確保、安全性の確保、社会保険の適用、適切な人事管理、教育訓練、福利厚生、解雇の予防、再就職援助、請負の外国人労働者に対する人事管理や生活指導に責任をもつ担当者。主に人事責任者から選任する。

ひとこと
担当者の人員に余裕がない場合でも最低限、生活支援と業務支援の方は分ける必要があります。
生活支援、メンター(先輩社員)、業務支援を1人の人に任せてしまうと、生活面から業務に関して全てのことが担当になっていまい、公私ともに負担になってしまいます。外国人材も全てのことを1名に聞く状況の場合、忙しそうだったりすると質問ができずに困ってしまいます。そのため、可能な限りそれぞれの役割について分けた担当者を設置しましょう。

まとめ

外国人採用における社内整備について、大きく3つのポイントを紹介しました。社内体制の整備は外国人社員の定着や成長に重要です。単に採用するだけでなく、企業として継続的に支援を提供することが求められます。これにより、彼らが働きやすい環境を作り、長期にわたって活躍できるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

私たち株式会社One Terrace(ワンテラス)は「チョクトリ」といった、海外から優秀な人材を採用する企業の採用支援、定着に向けた支援、活躍するための組織づくり支援などを通じて、企業の採用力や育成力の向上に知見を深めてきました。本記事が言葉や文化の異なる人材をどのように採用し育成すべきかを考えるうえでの一助となれば幸いです。また、この他にも優秀な外国人材を採用するノウハウを持っているため今後も記事化していく予定です。

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