バングラデシュの教育事情!理系人材が多い理由も紹介
バングラデシュは近年、理系やIT分野で世界的に注目を集めていますが、その背景には独自の教育事情と政府の政策が存在します。本記事では、バングラデシュの教育制度や学校の特徴、そして理系人材が多く育つ理由を解説します。
1. バングラデシュの教育事情

バングラデシュの教育事情は、日本とは多少異なります。就学前教育(1~2年)→小学校(5年)→中学校(5年)→高校(2年)→大学(学士4年)が一般的で、義務教育は初等教育の小学校のみとなります。義務教育である公立の小学校は無償で通うことができます。
ちなみに、進学率や就学率には都市と農村で地域差があり、入学時点ではほぼ100%の生徒が入学をしていますが、農村部では貧困などの問題により10%~20%ほどの児童が小学校を中退する場合もあります。
・初等教育は原則無料で、就学率が高い
・英語教育やIT教育が進んでおり、グローバル人材育成に注力している
・英語を学ぶ層は大学での理系やIT分野でのキャリア形成を行う場合が多い
学校体系 | 期間 |
|---|---|
就学前教育(幼稚園) | 1~2年ほど |
小学校 | 5年 |
中学校 | 5年 |
高校 | 2年 |
大学 | 4年ほど |
※詳細は異なりますが、イメージしやすいように日本的な分類にして記載しています。
▼参考情報▼
・バングラデシュ人民共和国 バングラデシュの教育制度(1)/独立行政法人 国際協力機構(JICA)
・大学等進学者数に関するデータ/文部科学省
・バングラデシュの教育 統計データ/グローバルノート
1.1. 教育への政府の支援体制
バングラデシュ政府は教育分野の発展を重要政策に位置付け、初等・中等教育の就学率向上やインフラ整備、理系人材育成のための大学支援など幅広い施策を展開しています。これにより、基礎教育の普及率は年々向上し、理系学部(建築、機械、電機等)・IT関連分野への進学希望者が増加中です。
・政府主導で初等教育の就学率が大きく向上
・理系・IT分野への進学を促す支援策が活発
・女児の就学支援も積極的に進めている
・英語教育が早い段階から導入されている
・理系・IT系のカリキュラムが充実
・大学進学率は年々上昇している
1.2. 中等教育以降のカリキュラム内容
中等教育(日本の中学・高校に相当)では、理系科目に重点が置かれたカリキュラムが特徴的です。数学、物理、化学、生物といった科目に加え、近年はITリテラシーの向上も図られています。生徒は成績や適性によって理系・文系コースを選択し、理系コースではITやエンジニアリングの基礎的な内容を学ぶ機会が豊富です。これにより大学や専門学校でも理系分野への進学が多く、理系人材の底上げにつながっています。
特徴 | 内容 |
|---|---|
理系カリキュラムの充実 | 数学・科学・ITの科目が体系的に組み込まれている |
コース選択制 | 成績や興味に応じて理系・文系を選択可能 |
試験重視 | 定期的な試験で生徒の理解度を評価 |
1.3. 大学進学(高等教育)について
バングラデシュにおける大学進学率は、ここ数年で着実に上昇しています。特に都市部では高等教育への関心が強く、隣の国インドと同じく理系(建築、機械、電機等)・IT分野を志望する学生が多いのが特徴です。多くの大学で理系関連学部が設置され、最先端の知識や技術を学べる環境が整っています。大学進学は社会的地位やキャリアアップの手段として重視され、家族や親族からの期待も非常に高くなっています。
・進学率の上昇で高度人材が増加(約24%前後)
・理系・IT分野への進学希望者が多い
・卒業後は国内外で活躍する人材も多い
2. 理系人材やIT人材が多いバングラデシュの背景とは

バングラデシュでは理系人材やIT人材が年々増加しており、その教育事情は注目されています。この背景には、政府が後押しする教育現場でのSTEM分野(科学・技術・工学・数学)教育の強化、グローバルIT企業の進出、海外就職を目指す学生の高い学習意欲など、複数の要素が組み合わさっています。特に政府によるIT産業支援政策や技術職の社会的評価の高さも大きな影響を与えています。これらの要素が相互に作用し、バングラデシュは理系やIT分野で優秀な人材を多数輩出しています。
2.1. STEM教育の徹底強化
バングラデシュではSTEM(科学・技術・工学・数学)教育が政策的に徹底強化されており、教育事情の大きな特徴となっています。小学校から高校まで理数系科目に重点が置かれ、大学進学後も工学や情報技術分野を志望する学生が非常に多くいます。大学生の理系学部進学率が高く、実践的な課題解決力や論理的思考力を育成するカリキュラムが導入されている状況です。
・理数系を重視したカリキュラムが全国で普及
・実験やプロジェクト型学習で応用力を養成
・大学進学時の理系志望率が高い
2.2. グローバル企業の進出
バングラデシュには多くのグローバル企業が進出しており、これが現地の教育事情や人材育成に大きく寄与しています。外資系企業は現地大学生や若手エンジニアを積極的に採用し、最新技術の研修やグローバル規模の開発プロジェクトへの参加機会を提供しています。このような環境により、学生や若手人材が実務経験を積み、即戦力として成長できる土壌が整っています。日本の製造業や建設業、IT業などもバングラデシュに進出しています。
▼参考情報▼
・在バングラデシュ日系企業一覧 05年7月4日現在/JBCCI編集(出典:ジェトロ/ダッカ事務所)
・注目高まるバングラデシュIT産業/ジェトロ
2.3. 海外就職を目指す学習意欲
バングラデシュの大学生や若者は、海外就職を強く意識し高い学習意欲を持っています。特に理系分野やIT分野の専門スキルを身につけることで、海外企業への就職や高収入を得るチャンスを広げようと努力しています。この明確な目標設定が学習への意欲を高め、語学力や実践的スキルの向上にもつながっています。結果的に、バングラデシュの教育事情は国際的にも通用する人材育成を実現しています。
・海外志向が高くTOEFLやIELTSなど語学試験への意識も高い
・実践的なITスキルや応用力の習得に積極的
・グローバルなキャリアパスを意識した教育選択
2.4. 政府の理系人材育成推進

バングラデシュは近年、急激な都市化が進み、建設やインフラ開発が進んでいます。そのため、鉄道、道路、高層ビル・発電所などの需要が高くなっており、就職先が多くある建築学部や土木工学系を専攻する学生が増えています。また、近年は工場の自動化・エネルギー供給・電化需要が増しているため、機械工学・電気電子工学系のエンジニアが必要とされています。
そのため、政府は「デジタル・バングラデシュ」を掲げ、ITや工学分野の人材育成を重点的に支援している現状があります。特に 電機・電子・ICT関連分野は国家戦略の重点であり、奨学金や就職支援も比較的充実しています。社会的にも「エンジニア=安定した職業」というイメージが強く、親が子供に理系を推奨するケースも多い状況です。
▼参考情報▼
・令和5年度 質の高いインフラの海外展開に向けた 事業実施可能性調査事業/経済産業省
委託先: 株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル 鹿島建設株式会社 日本工営株式会社
・バングラデシュで経済特区のインフラ工事を受注/日揮ホールディングス株式会社
3. バングラデシュの大学生の進学傾向

バングラデシュの教育事情は近年大きな変化を見せています。特に大学生の進学傾向には特徴があり、理系の技術職は大企業や外国企業に就職できる機会が多く、安定した収入を得られるため社会的評価も高くなると考えられています。また、理系の技術職となることを家族から期待されている現状もります。こうした社会的背景が、バングラデシュの教育事情において理系・IT分野への進学やキャリア選択を強く後押ししています。
・理系技術職は安定した収入・地位を得やすい
・理系となるように家族からの強い期待がある
・専門職志向が高まり理系技術職は学生から人気
3.1. 就職へと直結する理系学部が人気
バングラデシュでは理系学部への進学希望者が年々増加しています。ITやエンジニアリングといった分野が特に人気であり、これらの分野は将来の就職やキャリア形成に直結しているため、先述した通り学生やその家族の関心が高いのが特徴です。理系人材が多い背景には、バングラデシュ国内でのIT産業の成長やグローバルな職業機会の拡大が大きく影響しています。企業の人材ニーズと学生の志向が一致していることも、理系分野の人気が続く理由です。
・エンジニアリング、IT分野が特に人気
・理系学部出身者は就職率が高い
・グローバル市場での活躍を期待されている
・企業側も理系出身者を積極的に採用
・成長産業への期待感が高い
学科 | 人気の理由 |
|---|---|
エンジニアリング | 国内外での活躍機会が広い |
IT | 高い雇用需要と成長産業 |
まとめ
バングラデシュの人材は、仕事に対する意欲が高く、勤勉な姿勢が際立っています。教育事情の背景には、家庭や社会全体で安定した職業への強い期待があります。そのため、学生時代から熱心に学び、キャリアアップに対して前向きです。安定した職を得るために努力を惜しまず、与えられた業務に真摯に向き合う傾向があります。特に理系・IT人材の育成に注力する国家戦略が功を奏し、若く優秀な理系人材・IT人材が数多く輩出されています。バングラデシュの学生は、英語力や国際コミュニケーション能力、勤勉さ、異文化適応力など多くの強みを持っています。グローバルな視点で活躍できる人材を求める企業にとって、バングラデシュの学生は未来を担う最適なパートナーと言えます。
私たち株式会社One Terrace(ワンテラス)は「チョクトリ」といった、海外から優秀な人材を採用する企業の採用支援、定着に向けた支援、活躍するための組織づくり支援などを通じて、企業の採用力や育成力の向上に知見を深めてきました。本記事以外にも、外国人採用関連に関する情報を提供していますのでぜひご一読下さい。
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・外国人材採用|入社までの流れを紹介(募集から面接会、入国など)
▼参考情報▼
・バングラデシュのデジタル人材調査報告/日本貿易振興機構(ジェトロ) 調査部
・バングラデシュ人民共和国/文部科学省
・バングラデシュ人民共和国/千葉県公式ホームページ















